顎関節症
顎関節は耳のすぐ手前にあり下顎と頭蓋骨をつないでいる関節で、口を開け閉めするときにここを軸にして動きます。
関節に異常があるとカクカク・ポキポキと音がしたり、大きく開けると痛い、顎がロックして閉まらないなどの症状が出ます。また、周囲の筋肉に異常な力がかかり、偏頭痛や筋肉痛に似た症状が出ることもあります。
これらの症状を総じて顎関節症と呼びます。
この様な症状が起こる要因のひとつに、私たちの生活の変化に体が追いついていない事があると言われています。
昔の人たちは硬いものをよく食べていました。また、消化を助けるためにはしっかり噛まないといけない食べ物がたくさんありました。
しかし現代、柔らかい食べ物や加工された食べ物が多くなり、あまり噛まなくても飲み込めるものが多くなりました。結果、顎ががっちりしていなくても良くなり、だんだんと小さく退化していったのです。
ここで問題となってくるのは、歯の本数は昔のままである事です。
現代人は顎が小さくなっているのに、歯の本数は昔から変わっていないので
どうしても歯が並ぶスペースが足りなくなってしまうのです。
例えば電車の7人座席に8人座ろうとします。するとお互いにギュウギュウに詰めなくてはいけませんよね、若しくは他人の膝の上に座るとか(笑)。それと同じで、無理に顎の骨に歯が並ぼうとするので、八重歯になったり、変な方向を向いて生えたりしてしまうのです。するとかみ合わせの異常から顎の関節に負担がかかり、痛みやカクカク音がなるようになってしまいます。
では、顎関節症になってしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。
まずは歯科医院にいらっしゃってください。
顎関節症のタイプを診断し、マウスピース様の装置を作製したり、生活習慣指導、場合によっては矯正治療など、それぞれにあった治療法で治していきます。
いずれにしても顎関節症は治療に長期を要する病気です。
少し良くなったからといって中断せず、ちゃんと直していくことが大切です。